県内ベンダー企業と
共に生きる

改めて申し上げますが、DXは、ITと同義語ではありません。時代の変化に合わせて、ビジネスや生活の方向性、業態、業種をも変革していかなければならない現象のことを言います。これまでも、長い産業界の歴史において、繰り返しこの栄枯盛衰は数多く起きています。ただ、デジタルテクノロジーを背景にしたトランスフォーメーションは、その変化のスピードが過去に比べて圧倒的に速いことが特徴です。IT環境を自社に合わせてどのように活用するかは、全ての産業において今後延々と続く課題です。コラム欄では、その取り組みをベンダーとして寄り添い、時代の変化に一緒に立ち向かう県内企業やメーカーを紹介します。

代表取締役廣瀬 光男さん

県内IC・ICT企業の重要性

山梨県にシリコンバレーを創ろう!

山梨県は、他県に比してIT事業者が少ないと言われてきました。DX時代の到来は、IT、ICTのベンダー企業とのコラボレーションを抜きに、改革は不可能です。完全独立系ICT企業として、DX時代への対応に向けて、この山梨の地で成長を続ける笛吹市にある〝株式会社ジインズ〟をご紹介します。

山梨県のIT業界を語る上で、創業者の〝廣瀬光男 氏〟の異色の経歴と、今も熱い情熱について触れずには語れません。廣瀬さんは、元々山梨県の職員で、早い時期に、リニア新幹線構想を知り、山梨県にリニア新駅ができるのであれば、知識産業・情報産業が今後の山梨県産業構造に必要になると確信し、情報産業集積地構想をまとめ、政策提言を行いましたが、中々その計画が遅々として進まないことから、県職を辞し、自ら民間人として、ソフトパーク、情報専門学校の創設など山梨県の情報産業の基盤整備に汗を流しました。集積地立ち上げ前に、自費でサンフランシスコのシリコンバレーの視察を行い、ソフトパークの建設、ソフト業界人材の育成・供給の事業に確信を持ったそうです。すごい行動力だと思いませんか。それは山梨県の未来の産業ビジョンに対して強い想いがあったからこそではないでしょうか。35歳で県庁を退職後、大変なご苦労をされながら1991年「竜王赤坂ソフトパーク創設」「情報専門学校サンテクノカレッジ創設」を実現しました。その後、5年ほど教育機関の要職を務め、1996年に〝株式会社ジインズ〟の創業に至ります。

展示会でADMSをPR

得意分野で成長する

ITは人と人を繋げるコミュニケーションツール

〝株式会社ジインズ〟は、自治体ネットワーク事業の他「統合ID管理ソフトウェア ADMS」が全国的に好評を得ていて、特に自治体での導入は特筆すべきものがあります。得意分野に力を集中する堅実な経営で成長してきた企業です。DX時代への考え方について、廣瀬さんにお聞きしました。「人口減少時代、省力化、リードタイム、タクトタイムの短縮、生産性向上による経費節減など、ITソリューションはより重要になっていくと思う。DXの本質は、消えていく産業・サービス・商品、新たな仕組み・システム・技術の動向を見極めること。その過程で、IT、ICT業界はなくてはならない基盤産業の一つだと考えている」と仰っていて、ITは人と人を繋げるリアルタイムのコミュニケーションツールであり、だからこそより人材の育成が重要だとも仰っていました。

地域への貢献

県内の情報人材育成

〝株式会社ジインズ〟と廣瀬さんの特徴的な取組みとして、社業以外の地域への貢献活動があります。小中学生へのIT教育、学校の先生方へのIT教育、境川・八代企業連絡協議会運営への積極的な関与など、地域全体で山梨県を盛り上げようという意識が高いことです。今後も地域社会とどう関わるか、残された人生を有効に使いたいと、まだまだ夢多き廣瀬さんでした。

IT、IoT化に取り組む際に、他県のITベンダーでも対応は可能でしょうが、この地域の特性を知っている、この地域への愛着が深い、などを兼ね備えた県内ITベンダーの存在は重要です。情報通信系の教育機関も少なく、働き場所もないという環境であれば、県内に情報人材が存在し得ません。竜王赤坂ソフトパークから始まった情報産業界の芽吹きを大輪に育てていくことを廣瀬さんと共に考えていきたいと思います。この山梨県を次の世代に引き継ぐためには、教育・住宅・産業・環境全てで山梨県らしさを大切にし、その営みを継続できる取り組みを今後も続けていきたいと、山梨県への熱い想いを最後にお聞かせいただいた取材でした。

【企業PROFILE】

本社所在地:
山梨県笛吹市境川町三椚301
東京事務所:
東京都千代田区内神田1-6-6MIFビル9F


事業内容:ネットワークシステム事業、
ソフトウェア開発事業、セキュリティ事業、
IDソリューション事業