昭和56年創業の「望月鉄工」。水晶の切削加工や研磨機を製造していた同社は、時代の変化とともに徐々に衰退。2022年11月に兵庫県姫路市の企業「ヒメジ理化」に事業譲渡を行うと、今、新たな展開を見せています。
「我々が入ったときは売り上げがほとんどない状態。自分を含めて社員は10名。何より驚いたのが65歳という社員の平均年齢でした。社の雰囲気もどんよりしており、モノが散らばった状態。整理整頓、部分的な改修など、まずはハードの目にみえる部分から手を入れていきましたね」と聞かせてくれるのは、ヒメジ理化から派遣されて社長に就任した飛田 茂良社長。飛田社長就任から約2年。現在社員は18名。売り上げもまもなく黒字化に転ずるというところまで、望月鉄工は成長を遂げました。
「今回 M&Aを行った理由は、望月鉄工の地域密着の信頼性と立地面に魅力を感じたのが大きなポイントだったと聞いています。望月鉄工は社歴が長く、多彩な業界への出入りがあってコネクションがある。半導体メインのヒメジ理化に新しい可能性を示してくれると考えました。そして立地。山梨は本社のある兵庫県と、工場のある山形県のちょうど中間のような場所。2つの拠点の隙間にあるマーケットを狙うための拠点として機能することを期待しています」(飛田社長)
現在同社が手掛けているのは、ヒメジ理化が得意とする半導体関連の装置の架台のほか、望月鉄工が強みとしていた食品工場用のロボットなど。今後は部品加工からユニット製作、ユニット製作から装置製作と展開していくことを予定しているそう。そのために必要なのが「教育」であると飛田社長は語ります。
「社内で継承されている技術というのはある意味古くなってしまっていたり、ガラパゴス化したものだったりします。そこでポリテクセンターのような外部機関が大変ありがたい。社内のみでは教育の時間を十分に割くことができないという理由もありますが、ポリテクでは最新の正しいやり方を理論ごと教わることができる。内側だけの知識でやっていける時代じゃないですから資金も時間も教育機関も必要。研修を受けた新人が社のベテランにそれを伝えるというのも、会社全体のいい刺激になっています」
「ヒメジ理化は半導体1本の企業。ここに来たことで食品関係という芽を育てていける活路に気付き、景気に左右されない強みを一つ構築できています。業界違いからきているので、どこで勝負に出たら勝てるのかを見つけるのに時間がかかりましたが、やっとそれが見えてきた気がします」と飛田社長。同社が見出した活路とは、1名でも作業できるような簡単な機構の小さな装置を素早くお客様に提供していくこと。お客様のラインに合わせて、人手不足時代の工場の省人化に貢献できる小型のロボットや装置を提供していくことにあると言います。
「自動化機械の製造、そこに事業の軸足を動かしているところです。『変わらないとダメなんだ』ということを社のみんなにも考えてほしいと思う。これまで培ってきたものにも敬意を払いながら、時代を読んで業態から再構築し、教育し、育てていく。それが僕の仕事かな、と思っています」
現在の仕事は主に経理関係をお任せいただいております。それ以外にも、細々とした業務(お弁当の発注、草刈りetc..)などを日によってお願いされることもあります。前職は東京の特許事務所で働いていて、山梨に戻って昨年の3月に入社しました。魅力に感じたのは「10年以上退職者なし」のひとこと。雰囲気がとてもいいのだろうと期待して面接に訪れると、前社長夫妻の人柄にも魅了され、ここで働きたいと思いました。
今回「人材開発支援助成金」の申請を任せていただき、ポリテクセンターのお世話になりながら申請書類をまとめて採択いただくことができました。助成金の申請書は日本語を解読するのが難しく、量も膨大で骨が折れましたが、たくさん学ぶことがありました。今後は「申請は齋藤に任せておけ」と社長から太鼓判を押してもらえるようになりたいですね。前職と全く異なる業務内容ではありますが、この年齢で一からチャレンジできるということにワクワクしています。
兄がポリテクセンターを利用していたので、ポリテクの存在は知っていました。前職はサービス業。製造業にチャレンジしてみたいと思い、基礎だけでも学んでおきたいとポリテクセンターに入所しました。ポリテクでは金属加工を専攻していましたが、半年間の講習を経て入社してみると、知らない機械がないことが嬉しく、スムーズに業務に就くことができたと思っています。とくに自分は今「溶接」をメインに作業していますが、ポリテクで学んだことが思いっきり活かされていると思います。
前職は小売業でしたので、製造業の技術を一通り学んでからチャレンジしたいとポリテクセンターに入所しました。「望月鉄工」の特徴としては、若い世代とベテランの世代で年齢が離れています。しかし、先輩に何かを聞きづらいという雰囲気はなく、聞けば聞いたこと以上の情報をくださる先輩方が多いです。今後自分はオーダーメイドセミナーで学んだことを活かして機械設計・電気回路設計の力をつけていきたいと考えています。自分たち若い世代がこの会社を引っ張っていくという認識で行動していきたいと思っています。