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世界標準の採用 書籍:世界標準の採用

発行:株式会社日経BP
著者:小野 壮彦
定価:2,700円(税別)

過激なほどに変化していく市場環境、日本の人事制度は十分な革新を遂げているのでしょうか。1980年代、世界を制したとまで言われた日本の経営システムから早半世紀、その影を引きずりながら、新たな姿に変わり切れていないのが今の日本の人事制度ではないでしょうか。

今回紹介する著作では、日本の労働市場におけるリーダーシップ人材の不足、日本企業の人材育成力の弱さ、新卒一括採用、終身雇用、年功序列の名残など、世界標準から大きくかけ離れていると解説しています。加えて、次世代人材の減少、激しい市場変化など、採用、人事、育成について、抜本的な変革が必要だとも説いています。

日本も採用エージェンシーを活用する企業も増えていますが、企業自らが主体的・能動的に人材を獲得する仕組みや取り組みで、ダイレクトリクルーティングが欧米では常識になりつつあることを、この著作が教えてくれます。減少する人材市場で、天井を突き抜ける優れたリーダー人材(タレント)を獲得(アクイジション)するためにTA部門を設置し、待ちの採用から積極的に取りに行く採用への変革に取り組んでいます。新卒も経験者採用も区別なく、職務とスキルレベルを明確化したジョブ型雇用への切り替えがまずは先決だと思います。

ダイレクトリクルーティングの考え方、メンバーシップ型雇用からの脱却、人事部門のリセットなどについて、ヒントになる取り組みが数多く掲載されています。採用は人事ではなくある意味営業だという意識改革、採用担当者はその企業のエースが担うなど、人材確保のフェーズにおいて急激に変化するグローバル市場、日本の人事も大きな変革時期に来ていることは間違いのない事実です。