社会貢献型OEMに
世の中のニーズに応え瀧口製作所は1936年(昭和11年)にものづくりの町、東京・蒲田で創業。培った技術と開発力、お客様との信頼関係により、現在は設計から商品開発、製造、アフターサービスまでのすべてを自社で行うOEMのスペシャリスト企業へと成長しました。お客様の希望に合った機能やコスト、品質、納期に対応する広範囲な事業展開を実現するため、東京本社、山梨工場、郡山工場が連携する一貫体制を最大限活用し、単なる製造請負ではなく、積極的に提案を行う「攻めのOEM」を推進しています。
「私たち瀧口製作所山梨工場は、板金加工やプラスチック部品の成型など、部品の製造拠点の役割を担っている工場で、今年度でちょうど50周年の節目を迎えました。設立当初から平成初期までは全国各地に設置される公衆電話等、通信機器の製造に携わっていましたが、現在は病院や調剤薬局で処方された薬を分包する『薬科機器』や、駅のホームからの転落防止を目的に設置されている『ホームドア』の製造を中心に行っています。具体的に山梨工場が行っているのは、東京本社が受注した製品の部品製造に使用する機械を動かすための『プログラム作成』や、『加工』、『処理』、『溶接組立』、『部品検査』、『部品梱包・出荷』などです。山梨工場で製造した部品は郡山工場に送り、そこで組み立てられて製品として出荷されていきます。このような自社一貫体制の中で、私たち山梨工場は、部品製造拠点の重責を担い、いつの時代も世の中やお客様のニーズにお応えしながら、人々の暮らしを支える便利なものづくりに貢献しています」とお話を聞かせてくださったのは工場長の永関聖さんです。
瀧口製作所のOEMを支える、革新的な製造プロセスの拠点としての、さらなる躍進を目指す山梨工場では、昨年新工場が完成し稼働しています。
「新しい工場は600坪ほどあります。新工場の稼働で私が感じる一番の変化は社員の雰囲気です。当工場の従業員は年齢層が若いこともあり、新しい設備が整えられた明るく綺麗な新工場の環境に、モチベーションが上がっているようです。もちろん新工場は最新鋭の機械を導入していますので、作業効率のアップや省人化、自動化の推進にも繋がっています。例えば工場における最初の工程となる材料を切り出す作業は、機械と人の手による作業のトータルで以前は最大24時間のシフト体制が必要でしたが、現在は18時間まで短縮できています。また、これまで男性社員が担ってきた力仕事を機械がやってくれるようになり、男女問わず働きやすい作業環境の整備が進みました。これは女性従業員が約50%を占める当工場にとって、とても有意義なことです」。最新鋭機械の導入やロボット化で自動化、省人化ができる部署がある一方で、溶接のように人の手が不可欠な部署もあることについては、「省人化できた部署の人員は省人化できない部署にまわってもらい、層を厚くしています。当工場の作業環境の向上が実現しているのは、先進的な機械の力だけではありません。従業員の創意工夫や努力があればこそです」と笑顔をみせる長関工場長。



新工場が稼働し今後事業の拡大など、さらなる成長が期待されている山梨工場は、ポリテクセンターの卒業生をはじめとする若い力の活躍が目覚ましく、従業員の平均年齢が40歳以下という社内は活気が感じられ、その中で人材育成も積極的に行われています。「当工場はインターンシップもよく受け入れていますので、入社にはどんなスキルが必要ですか?と聞かれることが多いですが、その際私はいつも、資格や技術、知識がなくても大丈夫、必要なのは『やる気』です!と答えています。学生時代の今しかできないことを楽しんでから、入社してほしいと思っています。入社後半年ほど基礎的な教育をする研修期間がありますし、最新鋭の機械のオペレーション等も機械メーカーのセミナーに参加しプロから指導を受ける機会を設けています。資格取得も会社が全額負担するなど、入社後の教育体制が整っています。また当工場では各部門ごとにグループがあり、各グループ内で問題点に対する改善策、解決策を見つけていく小集団活動も積極的に行っています。その活動での改善策等が評価される表彰制度もあるので、みんな意欲的に取り組んでいます」。従業員が一丸となって、より良い職場環境をつくり、それが信頼されるものづくりに繋がっている山梨工場のこれからについて永関工場長は、「瀧口製作所は提案力のある『攻めのOEM』、そして『社会貢献型OEM』を目標としている企業です。私たち山梨工場も新工場の稼働で可能性が広がりました。これからも人々の生活や社会に大きく役立つものづくりに、やりがいを感じながら取り組んでいきたいと思っています」と晴れやかな表情で話してくれました。


高度な溶接技術に挑戦!
薬科機器の溶接に携わっています。細かい機器の溶接は難易度が高いですが、その分やりがいも大きく、みんなの生活に貢献できるものづくりに喜びを感じています。

やりがいを感じる日々!
現在ホームドアに関連する部品の焼け取り作業などをしています。自分が行う作業の一つひとつが人々の安全や命を守ることに繋がると思うとやりがいを感じます。