第44回山梨県障害者技能競技大会「アビリンピックやまなし2024」が10月6日(日)にポリテクセンター山梨を会場に開催されました。アビリンピック(ABILYMPICS)はアビリティ(ABILITY・能力)とオリンピック(OLYMPICS)を合わせた言葉です。本大会は障害のある方々が、日頃培った技能を競い合うことにより、職業能力の向上を図るとともに、企業や社会一般の人々に障害のある方々に対する理解と認識を深めてもらい、その雇用を促進していくことを目標に開催しています。
44回目となる今回は、Wordソフトを使用し、課題文書と同一のものを再現する「ワード・プロセッサ」、データの入力・修正、帳票作成等の課題を競う「データ入力」、Excelソフトを使用して表計算機能、簡易データベース機能、グラフ作成機能の総合的なスキルを競う「表計算」、手紙を出すまでの手順である発送準備と封筒仕分けの2つの課題を競う「オフィスアシスタント」、ビルクリーニングの基本動作の正確さや技術、マナー、作業の安全性・効率性を競う「ビルクリーニング」、喫茶店に来店されたお客様に対し、ご案内、注文取り、注文品の提供、片付け等のサービス技術を競う「喫茶サービス」の6つの競技種目に計21名の選手が参加。選手たちは審査員や見学者からの注目が集まる緊張感の中、真摯に競技に挑み精一杯日頃培った成果を発揮していました。成績優秀者には金賞・銀賞・銅賞が授与され、さらに成績優秀者の中から参加資格や条件等を考慮した上で、次年度の全国大会へ出場する選手が推薦されます。参加した選手たちはお互いを讃え合い、全員が達成感に満ちたとても良い表情をしていました。このようにアビリンピックは選手各自の技能レベルの向上や幅広い視野の獲得、また自分を成長させることができる経験の場としても大きな役割を果たすものであり、高い目標に向かう努力は自信を持つことにも繋がっています。
見学者の中には障害を持ちながら働く方や就労を目指して訓練されている方も多く、高い技術を披露する選手たちの姿に大いに刺激を受けて「いつか自分もあんな風になって、競技に参加してみたい」と目を輝かせていました。また見学されていた企業の方からも「障害があっても素晴らしい技術を持っている方がたくさんいることを実感しました。より多くの企業が見学に来ることで、認識が深まり採用につながるのではないでしょうか」と、これからの障害者雇用に向けて期待を寄せる声も聞かれました。当日会場では競技の他にも協賛企業の協力により、ものづくり教室やボッチャ体験などのイベントも併催され、多くの来場者や選手のみなさんが楽しんでいました。アビリンピックは一般の方も自由に見学ができる大会です。大会がもっと広く世の中に知られ、たくさんの方々が来場することで障害の有無に関係なく人と人の交流が生まれ、障害者の雇用と職業能力に関する理解と認識が深まることで、分け隔てなく共に働く豊かな未来創出の可能性が広がっていきます。
1.データ入力
金澤田 実来
銀作地 優菜
銅横森 海美
2.表計算
金外川 伸一
銀横森 愛実
銅飯窪 勇介
3.オフィス
アシスタント
金加藤 愛麻
銀鎮目 英美理
銅横森 めぐみ
4.ビル
クリーニング
金小岩 智輝
銀武藤 慧太
銅大石 堅太郎
5.喫茶サービス
金山本 麻貴
銀浅川 みやび
銅三浦 政子
6.ワード・
プロセッサ
は公開競技
(人数が1名のため)
アビリンピックへの挑戦は、この技術を活かした仕事で活躍したいという自信にも繋がっています。今年は県代表として全国大会にも出場するので実力を発揮したいです。
私は普段パン屋さんで接客の仕事をしています。競技ではとても緊張しましたが、この経験が技術の向上に繋がると感じています。これからも笑顔で元気にがんばりたいです。
私共は障害がある方が通所しながら働く訓練をしている事業所です。今回見学に同行した利用者のみなさんも生き生きとした表情で競技の様子を見つめ、「参加してみたい」「私もがんばろう!」と話すなど良い刺激を受けていました。
すごい実力を持っている方々が一生懸命に競技をしている姿を拝見し、とても清々しい気持ちになりました。企業の方も見学にいらっしゃれば、職場で活躍してもらえそうな方が多いことを実感でき、採用にも繋がると思います。