1971年創業の「内藤製作所」は、現顧問である先代の内藤重成氏が金型の設計、製作・販売を目的として創業したものづくり企業。1984年に事業拡大のために現在の双葉工業団地に移転し、2006年には新社屋を設立。そして、2008年に2代目の社長へと事業継承を行いました。社員数は約140名、現在は自動車関連部品の設計・製作に注力し、「株式会社デンソー」をはじめとするトヨタ御三家等を主要取引先に、日々技術を高めています。
「金属部品のプレス加工、設計・製作、そして金型開発まで行うことができるのが弊社の特徴です。とくに、金型開発はお客様と打合せをして試行錯誤を繰り返し、時間をかけて開発します。自動車関連の部品の中でも、私たちは色んな機能を持った『機構部品』と呼ばれる製品の製作を得意としています。弊社の部品は主にシートまわりなどに使われています。それらの自動車用の部品を生産性が高い『プレス加工』で製造。継ぎ目がないので、金型さえ完成してしまえば、非常に丈夫な部品を低コストに製作することができます」
話を聞かせてくれたのは、内藤製作所・坂田浩さん。
「ラインを止めることができない製造だからこそ、プレッシャーは大きい。けれど、大きな取引先とお付き合いをさせていただく中で、私たちも鍛えさせていただいています」と続けます。
内藤製作所のプレス加工は、オリジナルの金型をつくる「開発」からスタート。社内に開発部門を持ち、1年で数十個の金型を開発。そのうち、世の中に出るのは30分の1くらいなのだそう。
「金型技術に特化しているからこそ、自動車のような私たちの生活に密接で、かつ安全に関わるような製品の製造に携わることができているのだと思います。また、自動車の部品はメーカーを跨いで共通化が進んでいるもの。1つの部品が何百万個の受注につながりますので、開発に力をかけて、低コストで大量に生産できる工場を持っているという点でも弊社との相性がいいのだと思います」
2008年の社長交代を皮切りに、近年は特に人財育成にも力を入れているという同社。毎年新卒採用を必ず行い、地元の若手の中から、未来の「内藤製作所」を背負っていける人財を育てることに注力しているそうです。
同社の人財育成における取り組みは、オリジナリティーのあるもの。
「10年後くらいには完全に世代交代が起きると思っています。だからこそ、今から次世代を育てていかなければいけないと考えています」という坂田さんの言葉通り、同社では「改善活動」と呼ばれる社内の取り組みが活発化。会議自体を若手に任せることをはじめ、技術的な側面でも「TPM活動」と呼ばれる、世代を超えた小集団でのチームでの活動を導入。月に4時間、日々の業務改善や安全へのさらなる向上に向けてチームで議論する時間を設けているのだそうです。実際、工場内にあるいくつものホワイトボードには、課題解決に向けた話し合いの痕跡が残されていました。
「技術の向上はもちろんですが、重要なのは、次世代の中に『会社の顔』となれる人物を育てること。そのために、どうしたら今よりも良くできるのか、と考えることや、それに向けて主体的に動けるようになることが重要だと思っています。研修に費用をかけて、思考する機会に時間をかける。今日、明日の成果にはつながることはありませんが、こうした取り組みが、10年後、20年後の会社の未来を明るくしてくれているのだと信じています」
前職は重機の修理や改造をする仕事でした。ですから機械いじりのようなことにはもともと携わっていたのですが、もっとゼロからものづくりに携わりたいと考えるように。勉強できる場を探してポリテクに入所しました。ポリテクでは機械CADやNC旋盤などに触れられたことや、幅広い年代の人と会話できたことがよかったですね。
また、ポリテクから内藤製作所に入社した社員は僕が第一号だと聞いています。現在は生産本部で仕上加工などに携わっていますが、加工に入る前の安全管理や段取りなどの基礎はポリテクで学んだことが生きていると感じます。最近は班の取りまとめ等も任せられる様になってきたので、もっと周囲を引っ張っていけるような存在になりたいと思っています。