八ヶ岳連峰の懐深く閑静な森林に囲まれた八ヶ岳高原ロッジ内にある名建築二選を紹介します。
登録有形文化財にもなっている“八ヶ岳高原ヒュッテ”。この建造物は、元侯爵徳川義親氏(尾張徳川家19代当主)の邸宅として、銀座和光などを手がけた近代日本モダニズム建築を代表する“渡辺仁氏”の設計により、東京目白に建てられました。1967年から八ヶ岳高原の地への移築が始まり、1969年ハーフティンバー様式の美しい佇まいの高原ホテルとして営業を開始しました。(現在、ホテル営業はしておりません)
この建築物は、テレビドラマ「高原へいらっしゃい」のロケ地としても2度利用されています。(1回目は田宮二郎さん主演、2回目が佐藤浩市さん主演)
八ヶ岳高原ヒュッテ
もう一つの名建築は、tete第7号で紹介した山梨県立美術館を設計した前川國男氏らと共に日本の近代建築の礎を築いた“吉村順三氏”の設計による“八ヶ岳高原音楽堂”です。世界的な名ピアニストのスヴャトスラフ・リヒテル氏のアドバイスも受けて建築された八ヶ岳高原に溶け込むように建つ六角形の美しいホール。最大収容人数250名の小ホールで、舞台背景はガラス張りから大自然が一望でき、都会のコンサートホールでは味わえない趣があります。このホールでのパフォーマンスを好んで、毎年ここで演じるアーティストも数多くいます。
音楽堂で上質な音楽に身を委ね、ヒュッテのティールームで、八ヶ岳の大自然を満喫するひと時はいかがですか。
八ヶ岳高原音楽堂