以前、tete第4号に掲載させていただいた富士製作所のその後にフォーカスします。
2023年4月、山梨県機械金属工業団地内に「富士製作所」の新工場が誕生。従来の建屋の約6割に当たる大規模な工場の増設となった今回、同社が見据える先には、未来のものづくりの姿があります。「私たちの会社は自動車部品の製造を行っています。これまではブレーキ部品、近年はサスペンションの受注も増えてきました。新工場の設立は、要求に応えていくための設備投資。新工場では需要の増えたサスペンションを主に製造しています」と三枝務社長。工場内の通路を広くしたり、バリアフリー化を進めたり、生産をバックアップするスタッフが働く事務所も広くしたり。働きやすい環境づくりに加えて、新工場には新しい設備を導入。生産パートの多くを自動化することで、予測されている人口減少の未来に備え、生産量を安定させることを目指しているのだそうです。
同社が製造しているのは安全に大きく寄与するパーツです。特にサスペンションの部品は、国が特別な安全管理基準を設けているもの。構成部品の一つ一つにQRコードを付与し、製造年月日がわかるようにして長期保管するなど、トレーサビリティーの徹底が要求されています。「新工場には、管理を電子化するためのシステムも導入。従来のやり方とは異なるものを取り入れているので、従業員はとても苦労している段階かと思いますが、これからはこれまでと同じものづくりでは立ち行かなくなってしまいますから」と、IoT化促進担当の三枝進専務が聞かせてくれました。
工場の自動化で生産を安定させることに加え、技能士の育成など、個々のレベルアップで競争力の強化を図る同社。「自動化に伴う負荷が大きく、まだまだ勉強しなければいけない段階。少しずつ、フィットさせてより良いものづくりができる環境をつくっていく」と三枝務社長が聞かせてくれました。
所在地:山梨県甲府市落合町817
TEL.055-241-6001
事業内容:油圧・電気制御部品の切削加工
および熱処理、表面処理
※ブレーキ・サスペンション向けがメイン