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自動化・無人化・省人化を目指す新工場の写真

自動化・無人化・省人化を目指す新工場

株式会社土橋製作所のロゴ
ひとも工場も進化の必要性

 創業73年を迎える土橋製作所。2022年9月に竣工した新工場・3号棟は、将来的な課題とされる製造業の人材不足に対応できる環境を目指した機械設備の自動化に加え、ロボットを導入。まったく新しい生産環境が整えられている。「今は準備のとき」と語るのは、製造部マネージャー・藤原貢さん。新工場創設の狙いと、従業員の反応、そして今後の展開を教えていただいた。

金属加工技術を認められ
半導体の世界へ

 笛吹市八代町に本社をおく「株式会社土橋製作所」は、半導体製造装置の金属加工部品や各種産業機器設備の設計・製作を主軸とするものづくり企業。先代社長が1951年に甲府の鍛冶町で創業し、今年73年を迎えます。「父は手先が器用でものづくりが大好きな人物でした。趣味の釣り竿でもなんでも自分で作ってしまう。今でも鮮明に覚えているのが、父の創業以来、実家がどんどん工場に変わっていったこと。当時には珍しい洋風の家だったのですが、どんどん機械が運び込まれて、油まみれになっていきました(笑)」こう聞かせてくれるのは、土橋悦子社長。2000年に先代から事業を引き継いで以来、事業拡大や工場のIT化・自動化の促進など、未来を見据えた戦略で事業が成長し続けています。
 自動車の部品製作に始まり、1960年代は音響装置の繊細な金属部品の製作、その金属加工技術が評価されて1980年代に半導体業界に参入。2001年に産業装置の設計・製作事業をスタートさせます。「半導体事業は波が非常に大きい。そこでもう1本柱となる事業を作りたいと思いました」と土橋社長。その後、2017年に組立や生産設備の増強を意図した2号棟を建設し、2つの事業を揺るがないものとしていきました。

金属加工技術半導体の写真 藤原貢さんの写真
「無人化」「省人化」
設備を厳選し、未来に備える

 22年に新設した3号棟は、金属加工生産に特化。何よりの特徴は、導入した設備群にあるそう。「導入したマシンは、それ自体で無人稼働ができるものを選定しています。製造業の将来的な人手不足という問題を見据えて、工場の無人化・省人化を考えています。導入した7台のマシンは、段取りを終えて生産に入れば、人が一人ついていれば十分。一つのマシンで全ての工程を集約できる画期的な設備を選定しています」と聞かせてくれる藤原さん。
 また、加工機のみならず、部品の取り付け・交換作業にはロボットを導入しているのも3号棟の大きな特徴。社内の設計部が製作したオリジナルのシステムで稼働させているといいます。
「従業員には今、プレッシャーがかかっていると思います。なぜなら、ものづくりの環境が大きく変わろうとしています。ものづくりの好きな仲間が集まり、社員にはより付加価値の高い仕事を担ってもらいたいです。この変化にかかる負荷を超えていかなければ次に進むことはできません」と藤原さん。2024年後半に予測されている次なる需要の大きな波。「その時に備え、今は準備のときです。必要な時にフル生産できるように備える、今はとても大事な時なのです」と藤原マネージャーが聞かせてくれました。
 〝100年企業〟に向けて、どのようにひとと社会の役に立つかを日々模索する同社。「目指すのは『ザ・チームDOBASHI』となり、お客様のお役に立ち、ここで働くことを皆が誇りに思い、皆で幸せになれる風土を作り上げていくこと。『厳しくて、温かい』企業文化を醸成し、発展を続けていきたいと思います」と土橋社長は語ります。

南アルプス、八ヶ岳まで見渡せる眺望の良い食堂の写真

南アルプス、八ヶ岳まで見渡せる眺望の良い食堂

藤原貢さんとポリテクセンター修了生の写真

株式会社土橋製作所
ポリテクセンター
修了生

ポリテクセンター修了生の写真

 前職は配送業。ものづくりの仕事にはずっと興味があったのですが、資格や経験がなく、採用のハードルが高く感じていました。転職を考えた際に、ポリテクセンターの訓練を知り、約半年の訓練を受けてみることに。土橋製作所との出会いも、ポリテクセンターの企業実習でした。その際に初めて工場で働かせていただいたわけですが、皆親切で、自分の仕事にしっかりと向き合っている様子がカッコよくて、ここで働きたいと思いました。
 現在は3号棟で5軸マシニングセンタのオペレーター業務を担当しています。高い精度を必要とする部品が多く、本当にきっちりと仕上がっているのかを見極めることが求められるのがこの仕事の難しいところ。一方で、材料から製品になっていく過程を間近で見られるのが面白いところだと感じています。また、マシニングセンタを扱ってのものづくりというのも、ポリテクセンターからスタートした今までの製造業の経験の中で自分が一番興味を持ったこと。手で作業するのも良いのですが、機械での製造はより複雑で考えられないようなカタチを作ることができる。それがとても面白いと感じています。

株式会社土橋製作所の写真

株式会社 土橋製作所

所在地:山梨県笛吹市八代町増利五反田365-1
   TEL.055-265-5155
事業内容:精密機械加工・設計製作