Make You Happy 最先端技術を支える人材育成
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株式会社リガクのロゴ
トランスフォーメーションの先駆者
時代が求める事業を展開し続ける企業

 山梨県郡内地域の地場産業である織物業を前身とする「太陽電機株式会社」は、時代の流れに合わせて業態を変化させながら、私たちの生活を支えるものづくりを続ける。強みは柔軟性、核は人と工場。同社のものづくりを支える人材はどのように育てられているのか、企業の歩みと人の変化について伺った。

産業の衰退期に出会った新たな分野
「太陽電機」、歩みの始まり

 パワーエレクトロニクス製品の製造を得意とする「太陽電機株式会社」。2017年に新設した富士河口湖町の工場は約110名の従業員を抱えています。
 出発は郡内地域の地場産業である織物業。染色から機織りへと変化し、1960年代後半に事業に陰りが見えはじめると創業者である羽田 美道氏が次なる事業を探し始めます。
 「そこでたまたま出会ったのが電気の仕事でした。ちょうど固定電話が世の中に普及していくタイミング。電話を繋ぐための装置である『クロスバー交換機』の製作依頼をいただきました。織物業も続けてはいましたが徐々に縮小させていき、それと交差するような形で電気関係の仕事の請負をスタートさせていったそうです」と二代目羽田茂社長。しかしその後、オイルショックの影響を受けて取引先からの依頼が断絶。この時ご縁をいただいたのが、この先約30年間一社取引することになる取引先でした。
 「1970〜80年代は世の中や通信業界がアナログからデジタルに変わるタイミング。社会インフラとして通信設備の生産が求められました。それと金融業界の自動化に伴う電源装置の増産。これら2つの仕事で会社は成長し、工場の増設を繰り返していきました。1990年代に携帯電話が普及した時には我々と協力会社だけではとても手が足りず、さらなる協力をお願いして回ったほどです」

クロスバー交換機製作時代の工場風景の写真

クロスバー交換機製作時代の工場風景

時代の後押しを受けて次なる分野へ
支えているのは、人・技・工場

 2000年代に入り携帯電話のインフラ整備が一巡したと同時に取引先が生産拠点を海外に移すと同社の事業は3割も縮小。羽田社長が先代から事業を引き継いだのもこの頃でした。2010年代、世の中が再生可能エネルギーに注目し始めると、今度はメガソーラーが事業の主軸となり、過去最高の売上を達成。工場内の製造工程や人員配置を見直すなどして繁忙期を乗り越えていきます。そして2017年に現在稼働している工場を新設。しかし、ソーラーシステムの設置があらかた終わると再び唐突なダウンを経験。現在は鉄鋼プラント向けのドライブ装置などの製造を中心に、控えている大きなプロジェクトのために力を蓄えている時期だといえるのでしょう。
 「メインのお客様は30年と考えています。ゼロからスタートし、安定期があり、衰退していく。今は、また次の30年を考えるタイミングです。私たちのものづくりは、常に時代に影響されるもの。人と技、そして工場があるから、新たな分野にも飛び込んでいけるのです」

仕事風景の写真
従業員の意欲を刺激することが
工場全体の生産性アップにつながる
天野勝規さんの写真

 マーシャリングというのは、部材の配膳業務。製造の前工程です。組立に必要な部材を手順に合わせて組立できる状態にしておきます。僕は製造長の仕事を担う中、現場の問題解決につながるコミュニケーションを学びたいとポリテクのセミナーを受講しました。学んだことを現場に落とし込んでいくことはもちろんですが、会社が行う「改善活動」の場でも積極的に提案。5回以上の賞をいただき、今はその証である『ゴールドジャケット』の社員です。僕は会社をもっと良くしたい。そのために問題点の吸い上げと明確化に努めながら、一つ一つ問題発見・解決していきたいと思います。

小澤喜浩さんの写真

 私は製造の日程計画の立案、進捗管理、売上管理など主にPCでの仕事がメインになります。ポリテクの講座はエクセルやパワーポイントなどの基礎からステップアップ、そして管理職に必要な知識が得られる講座など、案内を見ながら自分に必要だと思う内容を選んで学びに行っています。社内の知識だけでは限られてしまうので、外で学ぶことは重要。自分が学びに行くことで、何かしらの気づきや変化を部署内にもたらすことができればと考えています。また、自分が学び得てきたことは部下にも共有。個々のスキルアップを図りながら会社全体をよりよい方向に持っていきたいと思います。

現在の工場風景の写真

現在の工場風景

技能士の資格を持つ「製造女子」の写真

技能士の資格を持つ「製造女子」も活躍

太陽電機株式会社
代表取締役
羽田 茂さん

羽田茂さんの写真
学ぶことで人間性を成長させる
システムで従業員を幸せにする

 私は2004年に社長に就任しましたが、いざ社長になれど、周りはなかなか私の話を聞いてくれない(苦笑)。どうしたら、と考えて失敗も繰り返しました。変わっていったのは、自ら学びに出て、人間力を鍛えようとしたことが転機だったと思います。現在我が社で毎日行う朝の3点セットの一つ「本気の朝礼」も学びに行った先の居酒屋さんがモデル。倫理研究所の経営者倫理セミナーにも行き、人としての生きる道のようなものを学びました。その頃からやっと矢印が従業員さんに向くようになったんです。もっといい会社を作ろう、従業員の成長と幸せを考えよう。そして2010年頃から人を育てるということに注力をし続けています。
 我が社のコアは人と工場。新しい分野に柔軟に対応していける技があることです。ものづくりをするのに必要な知識と技能、そして一人ひとりが考えて行動できる会社にと「改善提案制度」という取り組みを毎月行っています。また、将来的にリーダーになることを期待できる人間を選考してセミナーに参加させるなど、外部機関も積極的に利用しています。今年に入って、改めて企業理念を策定しました。その理念が、従業員さんたちの我が社で働く理由となってほしいと願っています。

太陽電機株式会社の写真

太陽電機株式会社

所在地:山梨県南都留郡
   富士河口湖町小立4555
TEL.0555-72-6000
事業内容:制御盤・配電盤等電気機械器具の
受託製造