Make You Happy 業界の新しいスタンダードを目指して
株式会社中村製作所の写真 株式会社中村製作所の社内写真1
株式会社中村製作所のロゴ

ものづくり企業の新たなる挑戦。
ハードでもソフトでも、他に誇れる環境を

新社屋と生産性向上の取り組みで、
製造業のイメージを大きく変える

 創業1945年。甲府市下飯田に工場を構える中村製作所は、切削加工と物性加工を複合的に組み合わせ、お客様のオーダーに合わせて高精度・高品質な各種製造装置の部品や真空部品などをつくる企業。アルミニウムを主軸に、ステンレスや銅、真鍮などの金属製品の扱いを得意としています。他企業との大きな違いは多品種・少量生産に対応できる点にあり、お客様のオーダーに基づいて、設計・製作を行なっています。
 「創業者は私の祖父。中村製作所は切削加工業者として小さな工場から始まりました。真新しい工場のあるこの場所は、祖父の自宅と古い工場があった場所です」。こう聞かせてくれるのは、中村製作所専務・中村健太さん。同社は現在、20年以上かけて徐々に進めてきた大規模な社屋改築の最終段階。外構工事が完了すれば、間も無く新社屋がお目見えします。  社屋改築は、同社にとって「製造業のイメージを改革する」というチャレンジに向けた攻めの一手。「きれいなものをつくり、きれいに維持することで愛社精神も育つ。ひいてはそれが品質向上につながる」と中村専務。企業にとって社員は大切な財産。同社では快適な社内環境の創設や生産性向上のために必要な最先端の機械の導入を適宜検討し、刷新を続けています。例えば最近、新型機を導入した電子ビーム溶接機。機械の中は真空状態にすることができ、その特殊な雰囲気の中でコンピューター制御されたシステムが、プログラム通りに正確・清浄・高精密な溶接を行うことが可能です」
 社員たちが普段休憩スペースとして利用したり、申請すれば休日も利用することができるという「Hall of Noah」はカフェのような内外観の福利厚生施設。社をノアの方舟に見立て〝不景気もみんなで力を合わせて乗り切っていこう〟という願いが込められているそう。「一見、製造業の会社に見られないようなデザインをイメージしています。綺麗な工場、職場で働くことは、社員のモチベーションアップにもつながると考えていますから

株式会社中村製作所の社屋の写真1

お客様を迎え入れるエントランス

株式会社中村製作所の社屋の写真2 株式会社中村製作所の社屋の写真3

新社屋の象徴となるモニュメント

株式会社中村製作所の社屋の写真4

おしゃれなカフェの様な社員休憩スペース「Hall of Noah」

株式会社中村製作所の社屋の写真5

一部住居スペースも備えた新社屋

株式会社中村製作所の社屋の写真6
株式会社中村製作所の社屋の写真7

最先端の機械を導入

新入社員お二人の写真
積極的なIoTの導入・推進で組織力と
生産性の向上を図る

 中村製作所の特筆すべき取り組みは、新社屋の設立で社員が働きやすい環境を整えることだけでなく、生産設備の更新、そして社内におけるIoTツールの活用の定着と多岐に渡ります。中でも力を入れているのが社内DX化推進の取り組み。「コロナ禍によって社会のデジタル化が進むと、一時は半導体バブルのような状態になりましたが、2023年には飽和する見込みと言われています。しかし、飽和したら衰退をするのではなく、常により高いテクノロジーが追求されているのが半導体業界です。市場変動が激しい業界だからこそ私たちも次なる大きな波に対応できる準備を進めていく必要があるのです」と中村専務は話します。
 同社のDX化は、まず改善すべき社内課題を明確にして、デジタルツールの活用を検討。桑原正樹さんと、中根義哉さんを中心に据えて展開を進めています。
 「私たちの中でIoTツールやIT活用の検討というのは、すでに5、6年前から始まっていたことです。現在は「DX化」というのがどこかバズワードのように使われていますが、目的を明らかにしてツールを選ぶことが大事だと考えています。私たちの目的は、自分たちの業務をいかに効率化するかということ。そうすることで工場全体の生産性のアップを目指すことを掲げ、デジタル管理やデジタルツールの活用を行なっています」。こう話すのは桑原さん。これまでの成果として、情報の共有スピードが格段に上がり、横の連携がスムーズになったと教えてくれます。
 「具体的に何を行なったかというと、決まり切った作業の自動化。そしてベーシックなIoT対応ではありますが、紙の書類をどんどんデータベース化していることが挙げられます。情報を集約してデータベース化することのメリットは、やはりそのデータを元に解析・改善を行えることです。しかし、私たちの仕事は単純な量産ラインではないため、色々な機械と人の手の関与がどうしても必要になる。ですから、すべてをシステム化してデジタルツールに置き換えることは不可能です」と中根さん。重要なのは作業区分を分けて、システム化できる部分をシステム化すること。自社に合った効率的なシステムを試行錯誤しながら少しずつ浸透させる事が大事だと考えている。それだけで、大きな生産効率の向上に繋がるのだそうです。

株式会社中村製作所
専務取締役
中村 健太さん

株式会社中村製作所 専務取締役 中村 健太さん

 今回の大規模な社屋改修は、製造業にあるネガティブなイメージを刷新したいという想いが根底にあります。敷地の中には創業者の生家もありましたが、今回の改修で会社の一部とし、また先代と同様に自分が会社のすぐそばにいられるよう、私自身が住まう空間を設けています。社の敷地内に自宅があることで仕事漬けにならないか…という心配のお声もいただきますが、むしろ望んだこと。例えば何かトラブルが起きた際にもすぐにかけつけられますからね。僕ら中村製作所の業務は多品種少量生産であり、クライアント企業からの期待値が大きいもの。高精密・高性能で「中村さんにしかできない」という仕事こそ、私たちの技術の見せ所だと思っています。だからこそ、なるべく迅速に製品をクライアントにお届けしたい。機械に不具合があれば、すぐに自分が対応できるようにと考えています
 社内のコミュニケーションにおいて、私が常々念頭に置いていることは、「自分たちの仕事が社会の中でどういう役割を果たしているか」をしっかりと伝えること。そうすることで自分たちの日々の仕事を他人事にしないで、つくる喜びを味わえるようになる。未経験でも、スキルを持った先輩たちがサポートします。興味があれば、ぜひ挑戦してほしいと思います。

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