DX社会における人材育成

 山梨県が取り組む「豊かさ共創基盤構築プロジェクト」をご存じですか。
 労使が目的意識を共有し、企業収益の確保と賃金の向上について持続的な好循環を生み出すことを目的に、労働団体、経済団体、教育機関、行政による「豊かさ共創会議」を設置し、その仕組みについて論議しています。
 また、現在、物価上昇に伴い、賃上げの動きも出てきていますが、その原資の確保と企業の成長をともに実現するためにも働く人のスキルアップは欠かせないものと考えられます。
 現在進行形で検討していますが、今後の展開も含めてご紹介します。
 共創会議で議論されているのは、3つの方向性と3つのアクションです。

3つの方向性

  1. 1労使の「豊かさ共創」に向けた関係構築の後押し
  2. 2企業の収益向上を促すリスキリングの支援拠点の整備
  3. 3県民の学びの裾野を広げ「豊かさ共創」社会を実現

3つのアクション

  1. 1循環サイクルの構築
  2. 2リスキリングの推進
  3. 3豊かさ共創の全県的な普及
    〜誰一人取り残さずキャリアアップできる山梨を目指して〜

 今号のテーマである「DXにおける人材育成」に関係して、このプロジェクトの「②リスキリングの推進」の中に、目指すべき人材像として「タイプ1 新ビジネスを創造するDX推進人材」とあります。(下図参照これは「AI、IoTの最先端テクノロジーを駆使し、ものづくり、観光、食、サービス等々のあらゆる業界でDX(デジタルトランスフォーメーション)を企画・実行する人材」とされ、こうした人材の育成を目指し、リスキリングプログラムの充実が図られる予定です。
 DXは私たちの生活にも、経済社会にも大きな影響を与えており、少子化の進行や価値観の多様化など大きく変化する社会の中で、働く人に求められるスキルも変化しています。県が取り組むこの新しいプロジェクトに、皆さんも一緒に取り組んでみませんか。

豊かさ共創基盤プロジェクトが示す3つのアクションの図
DX社会のインフラを担うベンダー

DX社会に対応するための
IoT設備投資

 DX社会に対応し、時代に合わせて社業を変革していくのであれば、それを支える人材とデジタルネットワークを基盤とした設備・機器導入への設備投資は避けては通れません。これまで、人材育成面で関係した企業各社のIoT化のターゲットは、製品検査の自動化、協働型ロボットの導入、ライン生産の省力化など様々ですが、その中で取組み対象として多数挙がったのが、物流システム(Logistics System)の改善です。今回は、その設備・装置の現状について取材しました。

 tete第3号の記事でご紹介しました「株式会社ササキ」が導入したIoT設備である自動倉庫などの納入設置を担当されました「トヨタL&F山梨株式会社」にお話を伺いました。「ササキ」は、ワイヤーハーネスの製造・販売会社ですが、2,000種類以上の製品をほぼ一点もので供給しています。材料のワイヤーケーブルの種類も多く、電子部品の種類も多様で、生産時における時間と労力を要する材料の移動とピッキング作業を改善するため、新工場建設に合わせ「トヨタL&F山梨」の自動倉庫・垂直回転棚を導入し、効率と安全性が格段に改善しました。このシステムは、ササキの生産管理システムとリンクし、入出庫がシステムに反映するものとなっています。
 「トヨタL&F山梨」は社名のとおり、Logistics & Forkliftを専門とする企業ですが、総合的物流システム改善を提供する会社として、DX社会において山梨県でどのような役割を目指しているのか、有井代表取締役社長、竹井係長にお話を伺いました。

有井社長(左)・竹井係長(右)の写真

有井社長(左)・竹井係長(右)

有井 「山梨県では、自動倉庫による物流システム改善要望が比較的多いかも知れません。弊社は、トヨタ生産方式に基づく改善提案も含めて、ロジスティックソリューションをご提示しています。やみくもに設備を導入すれば効率化が図れるものではないと考えておりまして、まずは、お客様にとって何が最適なのかを重視した取り組みを行っています。」

竹井 「物流システムの改善を図りたいと考えているお客様には、「無料物流診断」をお勧めしています。その上で、最適な設備・機器の選択、システムの形態などソリューションを提案することに重きを置いています。自動倉庫設備には、在庫管理システムもセットで提供しており、お客様の自社管理システムに連動するよう設置の際にシステム設定もいたします。」

無料物流診断の表 トヨタL&F山梨株式会社外観の写真

トヨタL&F山梨株式会社外観

カスタマーズセンターの写真

カスタマーズセンター

コンサルティング型ショールーム

「トヨタL&Fカスタマーズセンター東京」

 千葉県市川市にあるコンサルティング型ショールームにもお邪魔しました。3Fから「ソリューション体験フロア」、2Fが「セミオートメーションソリューションフロア」、1Fが「フルオートメーションソリューションフロア」の構成になっていて、自動倉庫、仕分けピッキング、保管、搬送、出荷、AGF(自動運転フォークリフト)など、ほぼ全ての物流設備・機器の展示と実際の稼働状況もリアルに再現しています。生産設備同様、ロジスティックも企業ごとに千差万別で、用途、目的に合った設備・機器の導入とシステム構築が、効率化、自動化の鍵であることは言うまでもありません。パンフレットなどでは、なかなかイメージが掴みにくい導入効果について、当該ショールームで理解を深めることができます。導入を検討される企業は、ぜひご相談を。

自動運転タイプフォークリフト(AGF)の写真

自動運転タイプフォークリフト(AGF)

ユニット式パレット用自動倉庫
(Rack Sorter P)の写真

ユニット式パレット用自動倉庫(Rack Sorter P)

ご相談・お問い合わせは
 トヨタL&F山梨株式会社
 中巨摩郡昭和町築地新居709-1
 TEL. 055-268-0644

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