日本は世界一高度人材不足のテキスト 日本は世界一高度人材不足の写真

 衝撃的なタイトルですが、イギリスの大手人材コンサルティング会社「ヘイズ」のマネージング・ディレクターの〝マーク・ブラジ〟が、2018年のレポートで言っていた言葉です。日本人として、愉快な指摘ではありませんが、レポートを読んでみると、その指摘は正鵠を射ている内容も多く、2023年の今では、円安により外国人の高度人材が益々獲得しにくい状況になっており、むしろ悪化しているかも知れません。そのレポートから、日本労働市場の特性を振り返り、今後のDX社会における人材確保・人材育成の課題について考えます。
 33の国と地域の政府統計などを分析し、企業が求めているスキルと求職者とのミスマッチを数値化した ポートでは、日本が高度なスキルを持つ人材を確保するのが最も難しい国だと指摘されている。

時代が求める市場価値の変化への対応に
高度人材が必要
高度人材確保面で国際標準から見た
日本人材の弱点
日本の労働市場特性から考えられる要因
高度人材が確保しやすい
労働市場になるには

 今号のテーマであるDX社会に対応するためには、IT活用能力を十分備えたマルチタスク型高度人材が不可欠です。前述したように、国際的に見て高度人材と言われるカテゴリーで、日本の労働市場はほとんどプライオリティを持っていないと言っても過言ではありません。他国の高度人材に依存するか、社内人材の高度化を図るか、いずれにしても何らかの対応をしなければ、DX時代の企業存続は難しいのではないでしょうか。